3Rの原則を遵守した研究を推し進めていくには、そして、世界と競い合うには、代替法の開発・評価・普及は大変重要であり、国として十分な人手と予算をかけて全力を挙げて取り組むべきことです。しかし、現在は「動物実験代替」というキーワードで科研費申請をすることすらできず、全体に十分な予算や人員が割かれていないのが現状です。
そのため、「国は動物実験代替法の開発・評価・普及に努めなければならない」と定めて、これらを国の責務とするべきです。
この改正を行うことにより、代替法の研究開発や評価(バリデーション)、普及のために必要不可欠な予算獲得の根拠ができます。さらに、動物実験計画書の審査をする際に、代替法が検討されたかをきちんと見ることのできる体制づくりへつながっていきます。
※バリデーションとは、試験をしたときに施設によってばらつきが生じないか、試験の手順は妥当か、目的を達成することができるかなどを確かめるために、複数の施設で同じ試験を試し、その結果によって試験の妥当性などを評価することをいいます。
世界の流れは動物実験の代替
EUでは加盟国に遵守義務のある「実験動物保護指令」において、動物の使用に代わる方法の開発を行う委託研究室を設け、これを欧州委員会の共同研究センター(JRC)に置くと定められており(第 48 条)、代替法推進の根拠となっています。
世界の流れは、動物を用いずヒトでどうかを直接予測する新しい評価法(NAMs;New approach methodologies)や動物を用いない技術(NAT;Non-Animal Technologies)へ向けて急速に方向転換しています。日本が取り残されないように、国としての取り組みが求められます。
なお、前回改正時の附則には、3Rの原則の“代替”と“数の削減”について在り方を検討し、必要な場合には措置を講じるようにと盛り込まれています。つまり、今回の改正で優先的に検討すべき点となっています。
附則
(検討)
第九条
3 国は、動物が科学上の利用に供される場合における動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、その利用に供される動物の数を少なくすること等による動物の適切な利用の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
畜産動物・実験動物も守れる法改正を求めます
この法改正の決定権を握るのは国会議員です。国会議員は市民の声、数で動きます。
私達は皆さんの思いの詰まった署名をできるだけ多くの国会議員に届けます。
どうか力を貸してください。
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