動物実験の3Rの原則である“代替” “数の削減” “苦痛の軽減”の遵守は国際的な共通認識になっていて、できる限り動物実験を避けることは苦痛の軽減と同様に求められています。
ところが、現行の動物愛護法第41条「動物を科学上の利用に供する場合の方法、事後措置等」においては、 “代替”と“数の削減”は「配慮するものとする」と非常に弱い規定になってしまっています。そのため、“代替”と“数の削減”についても、“苦痛の軽減”と同じく、「しなければならない」と強化する必要があります。
具体的には、下図のように条文を変えることを求めます。
左側が現行法第41条を“代替” “数の削減” “苦痛の軽減”に分けて、わかりやすく示したもので、右側が私たちが求める改正案です。
- 青文字の3Rの原則の遵守を制限している「科学上の利用の目的を達することができる範囲において」や「その利用に必要な限度において」を取り除く。苦痛の程度が大きい実験計画が承認されないなど、「科学上の利用の目的を達すること」より、動物福祉が優先される場合があるため。
- “代替”と“数の削減”については、赤文字のとおり、「しなければならない」として、苦痛の軽減と同様に義務とする。
動物実験業界からは「科学の発展とかに悪影響を与えるのではないか」などといった声が、前回改正時に聞かれましたが、私たちの改正案では、“代替”は、「動物を供する方法に代わり得るものがある場合」という条件付きですし、“数の削減”については、青文字部分を削除しても「できる限り」があります。それに3点とも罰則があるわけではなく、理念という位置づけは変わりありません。
日本より3Rの法制度が進んでいる欧米で科学の発展に悪影響が出ていることはなく、この程度の改正案を動物実験業界が受け入れられないはずはありません。
なお、前回改正時の附則には、“代替”と“数の削減”について在り方を検討し、必要な場合には措置を講じるようにと盛り込まれています。つまり、今回の改正で優先的に検討すべき点です。
附則
(検討)
第九条
3 国は、動物が科学上の利用に供される場合における動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、その利用に供される動物の数を少なくすること等による動物の適切な利用の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
畜産動物・実験動物も守れる法改正を求めます
この法改正の決定権を握るのは国会議員です。国会議員は市民の声、数で動きます。
私達は皆さんの思いの詰まった署名をできるだけ多くの国会議員に届けます。
どうか力を貸してください。
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