豚や牛の去勢を行う際、生産者は麻酔せずに動物たちの手術を行います。断尾や除角でも、神経がしっかりと通っているにも関わらず麻酔を使いません。とくに、幼齢なら麻酔をしなくて良しとする風潮が蔓延しています。赤ちゃんなら痛みを感じないなんていう科学的根拠はありません。
外科的切除についてはWOAH(世界動物保健機関(国際獣疫事務局))でも「これらの処置は、動物への痛み、苦痛及び苦しみを最低限にする方法で行われるものとする。」と規定されています。
最も痛みの大きいと考えられる去勢は、豚であっても代替手段がすでに存在しており、更には去勢は必ずしも必要では有りません。また豚の歯切りのように、すぐにでも廃止できるものも、法律がないために漫然と続いています。
動物の体の一部を切り取る、手術するなどの際には、麻酔は必須です。
例:豚の去勢の悲惨さと世界の流れ
豚の去勢はこの動画のように行われています。動画は日本国内です。
豚の去勢の代替手段
- 免疫的去勢製剤(インプロバック)等に切り替え
- 性成熟まえに屠殺する
- 外科的去勢をせざるを得ない場合は、麻酔をかける
海外企業の対応状況
- ブラジル大手食肉企業JBSは免疫去勢製剤を使用し、外科的去勢を原則行っていない
- ブラジル大手食肉企業BRFは免疫去勢製剤を使用し、外科的去勢を原則行っていない
- カナダ大手食肉企業メイプルリーフは2022年に廃止
- 中国大手食肉企業WHグループ(万州国際 )は、一部農場でFDA承認の獣医処方製品を使用しており、今後もこの方針で進む
- タイ大手食肉企業CP foodsでは、豚の去勢の中止を試みている
つまり、すでに代替手段が有り、世界は人道的観点から外科的去勢を行わない方向に進んでいます。また、ノルウェーやスイス、ドイツなどのように麻酔を義務化する国もあります。
産業動物のための新たな条項に、下記の条文を加えることを提案します。
移行期間も必要となるため、その規定をいれることも求めます。
産業動物の外科的切除や施術は、慣習的に行ってはならない。外科的切除や外科的施術をする場合には、麻酔及び鎮痛薬を使用しなくてはならない。解剖は動物の死亡を確認しないうちに行ってはならない。
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