現在の「産業動物の飼養及び保管に関する基準」は、なんと、A4用紙1枚分しかない、ほとんど何も書かれていない基準です。畜産動物は毎年10億頭も殺されているのに・・・。さらにはこの基準は遵守が義務化されておらず、努力義務でしかありません。
国際基準に準じることが必要
国際獣疫事務局(WOAH、旧OIE)の基準に準じ、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」を改定することが求められます。WOAHの基準は決して高いものでは有りません。科学的根拠を下に作られてはいますが、世界の182カ国が同意し作られるものであり、各国の社会的要件を反映してしまっているためです。しかし、現在の日本の畜産ではこの国際基準すらも守られていない状態が散見されます。
また、農場内の動物の扱いについては、農林水産省がWOAHの基準を参考にしながらアニマルウェルフェアに関する飼養管理指針を2023年に策定ましたが、残念ながら農林水産省がアニマルウェルフェアを行う根拠法になるうるものは、動物愛護法以外にはなく、つまりこの飼養管理指針には現在強制力がありません。
その他の繁殖やと畜については、国内には該当する公的な指針はないため、新たにWOAHの基準等科学的な根拠のあるものに従い策定する必要があります。
遵守義務化する
第7条の規定に基づき策定されているのが「産業動物の飼養及び保管に関する基準」ですが、これは努力義務でしかありません。産業動物に特化した新たな条文の中に、義務規定として以下のように追記する必要があります。
- 環境大臣は、関係行政機関の長と協議し、第一項から第四項の方法及び措置等第に関しよるべき基準を定めなければならない。
- 動物を産業の利用に供する者は、前項の基準を遵守しなければならない。