意識喪失をさせないまま、と畜(首を切って失血死させる)ことは多くの国で違法です。タイ、ブラジル、中国、米国、ヨーロッパ、トルコなどから輸入される肉は、事前に意識喪失をさせた、最低限の福祉が守られた肉*です。しかし、国産の肉となると違います。
国産の鶏肉、鴨肉の多くは、意識喪失の肯定を省いています。世界ではありえない方法を未だに続けるのは、法律に規定がないからです。
日本だけ屠殺の方法がおかしい
日本は意識を失わせない
日本の鶏は屠殺場(食鳥処理場)に運ばれてきたあと、シャックルに逆さに吊るされる。国内の約9割の食鳥処理場では、意識を失わせる行程を省いて意識あるまま首(頸動脈)を切る。残りの約1割の食鳥処理場は、電気の通った水槽に頭を浸け意識を失わせてから首を切る。
中には、意識のあるまま鶏の首を切ったのちに電流をあてるという二重の苦しみを与えるケースもある。
世界は意識を失わせる
日本には、ブラジルやタイ、米国、トルコ、中国、ヨーロッパなどの鶏肉が輸入される。そのすべては、屠殺前に意識を失わせるという最低限の福祉を守っている※。
さらに、欧米やブラジルは、電気での意識喪失よりも苦痛の少ない方法=ガスで意識を失わせてから逆さ吊りにしと畜する方法に移行していっている。
※ハラルのような宗教屠殺を除く
失敗が多すぎる日本
バタバタもがく鶏の首を切る日本は、頸動脈を切ることに失敗する率も他国より高い。失敗すると、生きたまま頭から熱湯に浸けられ、全身が熱傷で真っ赤になり、死亡する。この死体は廃棄処分で、その数、61万6,864羽/年。
米国は日本の10倍の数の鶏を屠殺するが、失敗して熱傷死させられた数は30,137羽、英国だったら違法行為で罰則対象だ。
と畜時の法規制 世界の状況 | |
中国 | と畜前のスタニングを奨励 山東省はスタニングが義務 |
フィリピン | と畜前のスタニングが義務 |
マレーシア | と畜前のスタニングが義務 |
インド | と畜前のスタニングが義務 |
タイ | と畜前のスタニングが義務 |
ブラジル | と畜前のスタニングが義務 |
ペルー | 動物のと畜は即死または即意識を失わせなることが義務、少しあやふや |
米国 | 州によってと畜前のスタニングが義務 |
カナダ | と畜前のスタニングが義務 |
メキシコ | と畜前のスタニングが義務 |
EU | と畜前のスタニングが義務 |
国内食鳥処理場のスタニング有無
※アニマルライツセンターでは全136プラント中、71プラントのスタニングの状況を把握
- 18プラントが電気スタニング
- 3プラントがガススタニング
- 50プラントが事前スタニングなし
把握できているうち70.4%がスタニングなし
全体では85%がスタニングなし、又は不明
上記数に含まない超小規模食鳥処理場ではほぼスタニングは行われていない
産業動物のための新たな条項に、下記の条文を加えることを提案します。移行期間として5年を提案します。
陸生動物を産業用に屠畜、殺処分する場合には、意識喪失させてから次の屠殺に進まなくてはならない。水生動物を産業用に屠殺、殺処分する場合には、原則意識喪失させてから次の屠殺に進まなくてはならない。
気絶手段は、即効性があり、意識喪失から確実に回復しない手段をとり、死に至るまで監視し、気絶から回復する傾向がある場合は即座に致死又は手当しなくてはならない、又意識のあるまま熱湯処理に進むことがあってはならない。
畜産動物・実験動物も守れる法改正を求めます
この法改正の決定権を握るのは国会議員です。国会議員は市民の声、数で動きます。
私達は皆さんの思いの詰まった署名をできるだけ多くの国会議員に届けます。
どうか力を貸してください。